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2006青葉山植物園-10

仙台市青葉山の東北大学植物園で土壌を調べてみました。土壌の採取は、L層・H層・A層のそれぞれで行いました。L層・H層・A層というのは土壌断面を層に分けたときの呼び名で、表層から順にAo層(堆積腐食層あるいは有機物層)、A層、B層、C層と呼びます。このうちのAo層をさらに落ち葉等有機物の分解の程度でL層・F層・H層と呼びます。この動画は、Ao層の下層であるA層(一般に土と呼ばれる鉱質土層のうち、一番上の腐食に富み暗色の層)の試料を観察したものです。採取直後は、観察できるような生物があまりいなかったので湛水状態で放置し、1ヶ月後に観察しました。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは動画"2006青葉山植物園-5" (

https://www.youtube.com/v/8K0dk0sejb4

) の細胞と似ていますが、より細長いですね。 ここまで細いと、動画"2006青葉山植物園-5"でも指摘した、繊毛虫の一種、キルトロフォシスかも知れません。 細胞口とその周辺の形はよく似ています。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

ただし、キルトロフォシスは通常は自分が分泌したゲル状の鞘の中にいます。細胞体は葉巻状で、円筒形のゲルの中を行ったり来たりしています。 一方、この動画の細胞はやや扁平で、頻繁に細胞が曲がっています。 これは採集の際に、ゲルがはずれ、極度の飢餓状態にあるためにこのようになっているのかも知れません。しかし、私は飢餓状態の別の似た種類の可能性も否定はできません。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

採取日:2006/12/06

採取場所:青葉山植物園  Google Map

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