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柄の先端の鞭毛藻コロニー

茶色の長い柄の先に、無色の鞭毛藻が10個位集まって群体をつくっています。一個一個の鞭毛藻には2本のかなり長い鞭毛の動くのが見えます。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これはコメントにあるようにアンソフィサ(アンソフィシス)です。

以前から不思議に思っているのですが,分泌物で作られている柄が根元の方ほど 太くなっている点です。

コロニーの始まりは1個から始まるので分泌物の量は少なく,コロニーの成長に 伴って分泌物の量が増えるのであれば,コロニーの近くほど太くなるのが自然な 気がするのですが,実際はその逆です。

柄にはバクテリアか何かが付着してそれらが数を増やして柄が太くなるので あれば,最初に出来た柄の基部がもっとも太くなるのは理解できます。

電顕などで調べればすぐにわかるはずなので,すでに文献になっているかも知れません。

調査不足で文献があるか否かは不明。

採取日:2009/10/18

採取場所:広瀬川A  Google Map

柄の先の鞭毛藻コロニーの捕食

粒子に付着した茶色の長い柄の先に鞭毛藻のコロニーがあり、勢いよくそれぞれの鞭毛を動かしています。時々小さな餌がコロニーに飛び込みますが、やがて離れて柄にそって難を逃れるものもあるようです。アントフィサの仲間でしょうか?


月井雄二先生(法政大)のコメント
これはコメントにあるようにアンソフィサ(アンソフィシス)です。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

「th」部分をトとするか,ソ(あるいはゾ)とするかは悩ましい問題です。

また,最近の本では「Anthophya」としている場合が多いようですが, 私が最初に利用したKudo の Protozoology (6版1966,1版は1931)では, Anthophysisと表記されています。

原因ははっきりしませんが,似た例として, ビコエカ(Bicoeca)とビコソエカ(Bicosoeca)があります。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

私がかつて調べたところでは,ビコソエカ(Bicosoeca)は原生動物の研究者が 用いる名前で,ビコエカ(Bicoeca)は藻類の研究者が用いる名前と記憶しています。

アンソフィサ(アンソフィシス)やビコエカ(ビコソエカ)などは,原生動物学, 藻類学のいずれでも扱っているのですが,両分野の間で交流がなかったため, いつのまにか名前が変わってしまったようなのです。

分類に関しては藻類の方が活発なので,最近では藻類系の名前が主に使われて いるようです。

採取日:2009/10/18

採取場所:広瀬川A  Google Map

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