展示室 > 名称別 > 裸性アメーバ

水田のアメーバ

水田から採取したアメーバ。擬態というわけではないだろうが、透明な体と内部の粒子が、周囲の凝集物と区別がつけづらい。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは裸性アメーバの仲間ですね。裸性アメーバの同定は,移動時の形で行いますが,この動画では周囲にいろいろなものがあって,残念ながら細胞全体の形がはっきりしません。動画からは細胞長が100μm以上あることがわかります。細胞体は扁平でなく,ある程度の厚みがあるのでツブリナ亜目に属するはずです。

http://protist.i.hosei.ac.jp/taxono.....

 (注:日本語) また,先端部に顆粒を含まない透明な部分(透明冠)があるのもわかります。ただ,100μm以上ある比較的大型のアメーバのわりには,細胞内にある顆粒が少なく,かつ一個一個が大きいのが気になります。大型のアメーバの場合,一般的には小さな顆粒がもっとたくさんあるのが普通です。印象としてはより小さなアメーバのような気がします。200μmというスケールは正しいのでしょうか?

採取日:2006/08/17

採取場所:鹿島台水田  Google Map

水田のアメーバ

水田から採取後、DNB寒天(薄めた肉汁を寒天で固めたもの)上で4日間放置後、観察。

多くのバクテリアに囲まれた中を進むアメーバ。体内の細胞質を流動させることで形を変えながら動いていく。その変化は見飽きない。


月井雄二先生(法政大)のコメント
これは裸性アメーバの仲間,Glaeseriaです。

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

細胞全体はサッカメーバに似ていますが,

http://protist.i.hosei.ac.jp/PDB/Im.....

移動する際に形成される仮足が,サッカメーバは前へ前へと連続的に形成されるのに対して,Glaeseria の場合は,突発的に半円形の仮足が形成され,その後,細胞質がその仮足の中に流れ込む形で移動します。(Pseudopods formed by forward bulding, with a constriction at base) 半円形の仮足は,進行方向に対して左右にややずれた位置にできるため,細胞はまっすぐ進むことができません。周囲にいるのは線状のバクテリアです。

採取日:2006/09/22

採取場所:鹿島台水田  Google Map

2021 © AL-Museum